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介護とキネステティクス

日本ではボディメカニクスに比べるとまだあまり浸透していませんが、介護の技術のひとつに、キネステティクスというものがあります。これは利用者が動くのを手伝うことを主軸とした技術の考え方です。

これまでのやり方では、介助者はあくまでも相手を持ち上げて相手の重さを支えて行うというのが基本になっていました。そのため介助者への負担も大きく、どうしても腰痛問題とは切り離せません。

しかしこの方法は、持ち上げて移動するのではなく、介助される側が自分で動くことを前提とし、その動きを助けることができます。こうすることで、どちらの負担も減らすことができるのです。

この技術の発祥はヨーロッパやドイツで、あちらの方ではすでに40年以上もの歴史があるそうです。科学的に人の身体の動きを研究し、双方の負担を減らす実践的な方法として広がっていて、今現在も発展を続けているそうです。

相手を持ち上げる必要がないため、身体への負担がぐっと大きく軽減できるのです。また、介助される側も身体を動かすことになるので、ねたきりなど身体が弱ることへの対策にもなります。

もちろん、無理に引っ張ったりしては結局お互いの負担を大きくしてしまい怪我の元です。あくまでも、身体の力学をしっかりと理解したうえで行う技術だと思ってください。

とはいっても、それほど難しい技術ではありません。講座も数日程度でその基礎知識を学べるというものが多くあります。基礎の部分を学べば、自分で利用範囲を考えて応用の幅を広げることもできる技術ですので、とりあえず試しに習ってみるというのも充分に有効です。

いままでの苦労はなんだったのかと思うほどに、自分と相手への負担を大きく減らすことができるでしょう。道具を利用するわけではない、自分自身の知識と動きなので、一度覚えれば一生使えるというのも良いところです。また、今後この方法論が発展すれば、もっと負担の少ない動きというものも出てくるかもしれません。

キネステティクスは現在では日本でも広まっており、その技術を教えてもらえる講座やセミナーもあちこちで開催されています。今現在腰の痛みに悩んでいる方や、腰痛予防を考えている方は、このような技術の習得も検討してみてはどうでしょうか。